ダッチオーブン、スキレット(フライパン)等の鋳鉄鍋がブラックポットになる過程について考察
すいません m(_ _)m、本記事はブログ引越時に書式が崩れました。順次修正中です。
■ダッチオーブンや鉄フライパンが黒くなっていく理由を考察
本やネットで読んでいると、黒くなるのは鉄が熱で酸化して酸化皮膜(黒サビ)ができるためで、これのおかげでサビない(赤サビが発生しない)と言われています。特にしっかりと黒くなったものをブラックポットと呼ぶそうです。Wikipediaを読むと、以下のように書かれています。
ダッチオーブン – Wikipedia
シーズニングによって黒錆びが発生したダッチオーブンの中でも、長年の使用によって重厚な黒錆びが付着しているものは「ブラック・ポット」と呼ばれて美的鑑賞の対象になることがある。
でも、よく考えてみると、どうも納得できません。だって、調理するたびに酸化皮膜が厚くなるとは思えません。なぜかと言うと、酸化皮膜ができてしまったら、それより内側の鉄は酸素に触れないわけですから、酸化しようがありません。確かに、黒皮鉄のフライパンなどはきれいな漆黒ですが、あれは何度も加工したものではなく、熱々の鉄を延ばした後、冷却時に1回でできたものです。
そんなわけで、あの美しい黒々とした皮膜の正体、実は炭化皮膜ではないかと考えています。ダッチオーブンのシーズニング(焼き慣らし)では、オリーブオイルなどを塗りながら行います。また、調理時にも食用油を使うわけでして、食用油は炭素化合物なので、熱を加えれば炭化します。
これが黒さの理由ではないかと。また、液体からかなり速い速度で固体化しますので、炭素化した時にはツルツルではなく微小にボコボコした状態になるはずです。ボコボコ=多孔表面に油が流れ込むことで、食材と鉄板面が密着してしまっても油が保持され、適度に食材を浮かせることで焦げ付かないようになっていそうです。
■最初にシーズニングをする時、食用油を塗るべき?
実は初めてシーズニングするときに不思議に思ったのは、「黒サビをつけるのに、なんでオリーブオイルを塗るんだろう?」ということでした。オリーブオイルを塗ることで、鉄が酸素に触れなくなり、酸化できなくなるのではないか?とちょっと心配しました。
これは、キャプテンスタッグ・ダッチオーブンコンボクッカーの外箱に書いてあったシーズニング方法です。
まあ、書籍やネットでもそのようにやるよう書いてあったのでそうしましたが、中華鍋ではそのようなことはせず、バーナーでガンガン焼きます(黒皮鉄のものは焼きません)。
じゃあ、家庭用ガスコンロで作れる酸化皮膜ってどんな色?ということになりますが、コゲを落とすために、シーズニングというレベルを超えてガンガン焼いたことがあります。煙が出なくなった後、最後には黒色を超えて灰色になります。恐らく、炭化皮膜がもろくなって飛んでしまったのではないかと思われます。
「まさにこれ!」という写真を撮っていたつもりだったのですが、探してもでてこず…撮り忘れたのかな?上の写真は、二歩手前ぐらいです。ここからさらに青黒い灰色になります。
このときの色が割と純粋な酸化皮膜の色ということになるかと思います。酸化皮膜の色は、温度によって違うようで、温度が高いほうが黒いのかもしれません。いわゆる黒皮鉄というのは、高温に熱して整形するときにできるもので、相当、温度が高かったと考えられます。
そんなわけで、初回は食用油を塗らずに酸化皮膜を作るのが良さそうなわけですが、ただ、何もコーティングがない状態だと、鋳鉄鍋はそれこそ数十秒で錆びてきます(赤錆)。そのため、赤錆が出ないようになるべく薄く食用油を塗っておいて酸化皮膜を作る、というのが現実的です。そして、2回目以降の食用油塗布は、徐々に炭化皮膜を重ねていくためのもの、と考えるのがよさそうです。また、初回は温度を高めにシーズニングを行った方がよさそうです。
ということは、ちょっと邪道ですが、単にブラックポットを目指すだけであれば、調理に使わずに、丁寧に炭化皮膜を焼き付けていく工程を繰り返すとよいのかもしれませんね。
■黒い方が調理しやすいのか?
実は、焦げ付きが気に入らない!とか言って、2回、思いっきり焼いてコゲを脆くし、削り落としてました。先ほど、ちらっと書きましたが、どうもこの時に、炭化皮膜が炭化しすぎてはがれちゃうようです。そのため、2ヶ月間、しっかりと皮膜が成長している、という状態ではありません。
そこからまたシーズニングをちょっとやってみて、あとは普通に調理しているというのが現在の状態です。それでも、現在でも油返ししてやるだけで、追加の油を入れなくても目玉焼きがくっついて困る、ということはありません。さすがにスキレットを傾けるだけで目玉焼きが滑っていく、ということはありませんが、ターナーを差し込んでやれば簡単に取り上げることができます。
先の「炭素皮膜による多孔表面」の理屈から考えると、より黒い方が調理しやすくなりそうです。鋳鉄製なのでもともとザラザラしていることから、油のなじみもいい感じですが、炭化皮膜が付いた方がよりきめ細やかに油がまわってくれるのではないか?と思います。
そうやって考えると、今後、さらに使いやすくなってくるのかもしれませんね。楽しみです。
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