ゴトク付き66mm径毛細オープンフレイムアルコールストーブの作り方。 – 空き缶でアルコールストーブ(コンロ)自作。

公開日:  最終更新日:2014/06/24

SiSO-LAB

昨日、紹介しました「スタンレー・キャンプクックセット0.71Lに収納可能なアルコールストーブ」セットの、アルコールストーブ製作方法です。技術的にオリジナリティはありませんが、オープンフレイム方式(単に広口容器で燃やすだけ)に毛細現象によるアルコール燃料吸い上げを加えています。今のところ、一番収納性が一番良いものの、改良の余地がありそうでまだまだ模索中です。

 

スタンレー・キャンプクックセット0.71Lにピッタリ

アルコールストーブって自作できるんだ、に始まって、スタンレーのキャンプクックセットにうまく収納できるアルコールストーブを作ってみました。性能的にはもうひとつですが、収納性はかなり良好です。ポット(鍋)の中に、風防、ゴトク付きアルコールストーブ、50ml×2のアルコール燃料が収納できます。あと、おまけで、230℃まで耐えられるシリコン製コースターもくっつけることができます。

ゴトク付きアルコールストーブの製作方法

今回使用したアルミ缶はRootsのボトル缶で、ラベルが印刷ではなくシートが巻いてあるものです。このアルミ缶、印刷面を簡単にはがせるだけでなく、炭酸飲料のアルミ缶に比べて厚みがあります。そのため、比較的丈夫なアルコールストーブを作ることができるため、気に入っています。

 

まずはアルミ缶に線を引こう

最初に、カットする高さや穴あけのための線を油性ペンで書きます。最初は定規をアルミ缶にあてて油性ペンでプロットします。下から、35mm、38mm、48mm、71mm、76mmです。38mmと76mmのところでカットして、71mmのところに穴を開けます。プロットしたら、油性ペンの高さを調整して、アルミ缶のまわりをぐるっと一周、線を引きます。上部パーツのサイズは、アルミ缶底部の形状によって若干寸法が変わります。

続いて、穴あけとクリースを折るための線を引きます。今回は、空き缶に紙を巻きつけて輪にし、一旦、取り外して8等分に折り曲げたものをスケールとして使っています。

このスケールは、1箇所だけさらに細かく目盛りが書いてある場所があります。これを基準に位置をずらすことにより、16等分のプロットをすることができます。今回、孔の数は16個にしています。

プロットができたら、縦線を引きます。縦線を引くには、アルミ缶を横にしておき、少し段差を作って油性ペンを走らせます。線を引く位置は、必ずアルミ缶の方で調整し、ペンは台に押し付けて線を引きます。

アルミ缶をカットして穴あけ

アルミ缶をカットするにはカッターナイフを適切な高さに固定し、アルミ缶を回していきます。このあたりは、以前のエントリにて説明していますので参照してみて下さい。

作業場所全景はこんな感じで、木の板、梱包用テープ、スケッチブックで高さ調整をしています。微調整にはスケッチブックが最強だと思います。

後は、カッターの刃を押し付けながらアルミ缶をまわしていきます。数周したあたりでカッターナイフの刃が刺さるようになります。これぐらいになったら、切れ目を指でペコペコともむように押し、切れ目を広げていきます。

焦らずにのんびりとペコペコやっていると、ペロロン、ペロロンと切り口が広がっていき、予想以上に簡単にパカっと切れます。

穴あけは、いきなりドリルで穴あけをしようとすると、孔位置がずれて失敗することが多いです。そのため、最初に画鋲などでへこみ(孔が開いても構いませんが)をつけます。いわゆるポンチ打ちというやつです。このアルミ缶、厚みがあるので、簡単には穴が開かないと思いますが、貫通して怪我をしないよう、気をつけてください。ポンチ打ちが済んだら1~1.5mmぐらいのドリルで穴開けをします。

続いて、最終目標の3mmのドリルで穴開けをして完成です。もし、6mmぐらいのドリルがあれば、軽く穴をなぞるようにしてバリ取りしておくと怪我をしにくくなります。表面、裏面、両方やっておきましょう。大きなドリル刃がなければ、大きなバリをニッパーで取り除き、ヤスリで仕上げておいてください。

クリースを入れて組み立て

いよいよ加工最終工程です。ハサミや定規を使ってクリース(折り目)を入れていきます。このあたりでなんとなく工芸品っぽくなってきます。

仕上げにクリースに切り込みを入れて短冊状にし、内側に折り込みます。この折り込みは、下部パーツの形状に合わせて丁寧にやってください。これをきっちりやらないと、上部パーツを下部パーツに押し込んだときに、しっかり入らなくなります。下部パーツに上部パーツを押し込みますが、下部パーツのフチ、ギリギリまでしか入らないと思います。

仕上げに、ほかの空き缶で押し込みます。軽くたたくといい感じで入ります。もし、指で押し込むだけでうまく入るのであれば、それで構いません。

最後に、ふちを折り込みます。これにより、他のものを傷つけなくなるとか、強度アップするなどの効能があります。のんびり少しずつ折り曲げていき、最後はしっかり挟み込んで挟み込みます。

これでアルコールストーブ本体の出来上がりです。内側のクリースやスカートが美しいですね!

ゴトクは巨大クリップを分解して針金細工

ゴトクは、太い針金が手に入らなかったので、100円ショップで巨大クリップを購入し、これを分解して使用しました。なかなかしっかりとした太さがあり、曲げるのは大変ですが、保持力もかなりあります。ゴトクそのものは現物あわせでペンチを使って曲げて、内側の孔16個のうち4つを広げて差し込みました。

そのままでは差し込めなかったので、適当な精密ドライバーで穴を押し広げて差し込みました。結構な抵抗感があり、プラス1cmぐらい引っ張り出した状態で、上に鍋を乗せても安定しています。

燃焼実験

事前の燃焼実験でわかっていたのですが、このゴトクは低くてパワーが出ません。最大火力にするには、少なくとももう1cm必要です。炎を見るとわかるのですが、この高さだと「アルコールがやや勢いよく気化してゆらゆら燃えている」と言う感じです。

少し距離をおくと、開放した状態と同じように、炎の筋が見えるようになります。ただし、最大火力にすると燃焼時間も短くなります。ゴトクの高さを簡単に調整できたら、火力調整ができておもしろそうです。

ゴトクは本体に差し込んであるだけですが、そこそこ抵抗感があります。そのため、引っ張り出すだけで高さを変更できます。というわけで、実際にお湯を沸かしてみました。

結果は、以下のとおりです。

  • ゴトク高さ標準
    水は400cc、アルコールは25cc、本燃焼まで10秒、7分00秒で沸騰、10分23秒燃焼しました。かなりのんびりですが、思ったより性能が出ているような気がします。
  • ゴトク高さプラス1cm
    水は400cc、アルコールは25cc、本燃焼まで10秒、4分58秒で沸騰、6分15秒燃焼しました。燃費は悪いですが、パワーはあります。

収納を考えると、ゴトクは低い方が限界なのですが、これによって火力が落ちてしまいます。でもあまり問題視しておらず、改良できたらいいな、ぐらいに思っています。風防をつけて実験したら、空気の流れがしっかりできるのか、炎の筋が見えるぐらい勢い良く燃焼してくれて火力がそこそこ出てくれました。

外では風防とあわせて使いますので、今すぐ改良しなくちゃ!ということは無い、と判断しました。また別のエントリにて、スタンレーのクッカーを使って考察してみたいと思います。

とは言え、いろいろ改良必要そう

このアルコールストーブ、火をつけて本燃焼に移るまでは10秒程度と、非常に好成績です。湯沸し能力もほどほどの性能を出してくれていますが、燃焼効率はあまりよくなさそうです。気化したアルコール燃料の噴出速度が遅く、燃焼そのものがゆっくり進んでいるように見えます。

観察のポイントですが、炎が高く上がって、「ああ、よく燃えているな」と安心してはいけません。SiSO的推測ですが、噴出して早々に燃えるのであれば、炎の明るい部分がそんなに高くならないと考えています。逆に、それだけのんびり燃えていると推測しています。

構造的にも、クリース内にあがってきた液体アルコール燃料が熱せられて気化することで噴出しているだけですので、そんなに圧力がかかった状態ではないでしょう。もう少し構造を見直す必要がありそうです。今回、3mmで穴開けしましたが、もしかしたら0.8mmとか1.0mmで穴明けした方が、気化したアルコールの流速を稼げて、より強く速く燃焼できるかもしれません。また、クリースの数をもっと増やしたほうが、気化したアルコールがより速く燃焼できる可能性があります。

現在、手持ちアルミ缶が在庫切れなので、入手したら作ってみようと思います。

 

今日の一言二言三言

 

あれこれと 課題並べて つぶやくも

達成感が 気持ちよいかな

 

最後は、あれこれ改良の必要性を書いてしまいましたが、いい感じで納まるものができました。おかげで、改良していくにも、改良前提のスコープがはっきりしました。この形状とサイズを維持、その範囲で改良できることをやっていこうと思います。アルコール燃料を100ml内臓できるのは、かなり魅力的です。

 

 

STANLEY(スタンレー) スタンレーキャンプクックセット 0.71L シルバー 01290-012 – amazon.co.jp

●容量296mlのカップ2個がセットになっており、一つにまとめられます。●ステンレス製鍋・0.71L・高さ145mm、本体径100mm(フタハンドル部・ABS樹脂)●ポリプロピレン製カップ・296ml x2●重量393g
ケンエー燃料用アルコール 500mL 【HTRC3】

今回、購入してみた商品ですが、「メタノール76.6%、エタノール21.4%、イソプロパノール0.3%」となっています。恐らく、火力は、大洋製薬より強いのではないか?と推測しています…が、先日の実験で、明らかな差は無いことがわかりました。
しばらく前は「あわせ買い」対象でしたが、現在、単品で送料無料です。
燃料用 アルコール 500ml 【HTRC3】

大洋製薬の燃料用アルコールです。こちらは「メタノール95%、エタノール5%」となっています。こちらの方が、煤などが出ないのではないか?と推測していたのですが、どちらも煤はつきませんでした。
しばらく前は「あわせ買い」対象でしたが、現在、単品で送料無料です。

 

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  • 空き缶でアルコールストーブ(コンロ)自作のまとめ。

    空き缶でアルコールストーブが作れる!と知って試しにサイドバーナータイプを作ってみたら、しっかり炎が出てちょっと感激。以来、あれこれ妄想を加えながら楽しく改良しています。何しろ材料が空き缶ですから、懐にもやさしくていいですね!



落描解説:今回、製作した、ゴトク付き毛細オープンフレイムストーブです。なんか、いい名前、無いかな?

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