油返し、実は油の消費量超少量。鉄フライパンやダッチオーブン(スキレット)の油返しにはフタ付きマグカップがあると便利。

公開日:  最終更新日:2014/12/02

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我が家には、キャプテンスタッグのダッチオーブンコンボクッカーがありますが(6月に買いました。アマゾンですごく安かったので…)、鉄製なので食材を炒める前に油返しをしています。油返しとは、熱した鉄フライパンやスキレットにドバっと油を入れて全体に回した後、また油ポットに戻すこと言います。これ、案外油を使わないんです。

油返しの効能について

スキレットだけでなく、鉄製フライパンなどでもよく言われる「油返し」ですが、簡単に言えば、多めの食用油を熱くなったフライパンに流し込み、なじませた後でその油を取り出してしまうことです。

どんな効果があるのか考えてみましたが、以下の2点が料理に効果がありそうです。

  1. まんべんなく油が行き届く。
  2. 場所による温度差が緩和される。

1については見ての通りで、わずかな油だけで塗り広げようとするとなかなか大変ですが、多めの油を流して捨てるのであれば、簡単に均一に塗ることができそうです。

2についてですが、鋳鉄製とは言え、場所によって温度にはムラがあります。多めの油が入ることで熱いところは温度が下がり、低いところは少しだけ温度が上がり(全体的には下がるでしょう)、結果として温度も均されて、その後の調理にいい効果を与えるのではないかと考えています。

 

油を慣(なら)らして温度も均(なら)す

 

ということですね!

気になるのは、食用油を何度も使うことによる劣化ですが、あまり劣化していないように感じます。どこかの研究室のデータでみたのですが、熱については加熱時間が関係しているので、数十秒200℃加熱したぐらいで、ひどく劣化することはないようです。もちろん、酸化もありますが、フタができる容器に入れて一週間ぐらいで、見た目やにおいでわかるほど質が変わるようにも見えません。

天ぷらなどで油が黒ずんでくるのは、熱や酸化による劣化が主要素ではなく、食材に含まれている水分や炭素によるものではないかと考えています。

油返しには、フタ付きマグカップが便利

油返しに使う食用油を入れておく器ですが、広く開いた口で食用油を流し込みやすく、酸化しないようにフタがついていて、それほど大きくないもの、ということで、我が家では100円ショップで購入した、フタ付きマグカップを使っています。使用用途外ですが、中はステンレスでできており、今のところ問題なく使えています。

油返しをするとき、100ccぐらいドバっと入れるのが普通のようですが、温度を均すにはそれぐらい合った方が良いかと思います。でも、大さじ1杯(15cc)でも結構な量になります。コンボクッカーのフタ(スキレット25cm)に大さじ1杯というと、これぐらいです。これぐらいの量でも、ちょっと振ってやればきれいに全体的になじんでいきます。

なので、使い回しや保管による食用油の劣化が気になる方は30ccぐらいで油返しを行い、半分ぐらいになったら足す、あるいは保管用に塗る油にする、というのがよいかと思います。

油返しでフライパンに残る油の量は?

これが気になるところでしょう。油返しをすると、どうもたくさんフライパンやスキレットに油が残るような気がします。このあたりが、テフロン加工のフライパンと比べて、油をたくさん使うんじゃないの?と誤解されている部分じゃないかと思います。

 

そう、誤解です。

 

というわけで、我が家のスキレット(コンボクッカーのフタですが)25cmで実験してみたいと思います。まずは、マグカップにオリーブオイルが全て入った状態で重量計測します。現在、110gです。それでは油返しを行います。

オリーブオイルを再びマグカップへ戻します。さて、何グラム変化したでしょうか?

じゃーん。たったの1gです。誤差を考えても最大2g程度でしょう。概ね、食用油は比重が0.9ですから、せいぜい、2cc程度です。小さじ1杯が5cc程度なので、25cmスキレットの場合、一度の油返しに必要な食用油の量は

 

小さじ1/3程度

 

なのです。

よく考えてみると、テフロン加工のフライパンの方がもっと使っているのではないでしょうか?テフロン加工フライパンで油を回そうと思うと、ツルツルで油が広がらないので、意外に量が必要になります。また、サラダオイルなどを容器からチョロっとやったら、小さじ1は軽く越えると思います。

ちなみに、前エントリで焼いた目玉焼きですが、油返しで残った食用油のみで焼いています。

 

今日の一言二言三言

 

油返し 一見たくさん 使ってる

でもホントは ほんの少しだけ

 

実際に計測してみるとこんなもんです。テフロン加工のフライパンでの調理とは言え、完全に食用油を入れない料理はほとんどありません。また、テフロンの場合、油がなじみにくいので、どうしても多めに入れてしまう傾向があるのではないでしょうか(我が家がそうです)。

鉄フライパンでも、これにさらに適量の食用油を加えますが、それはテフロンフライパンでの調理と同じぐらいになるだけです。そうやって考えると、テフロンフライパンの油使用量が少ないというのは、一概には言えない、という結論になります。…と、通説がひっくり返るような話を書いてしまいましたが…大丈夫かな?

ただし、鉄フライパンの場合、保管のために食用油を塗りますので、家庭での食用油の消費量としては増えるでしょう。

 

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